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🍉 8月の旬#マスカット・オブ・アレキサンドリア#ぶどう#岡山#品種

マスカット・オブ・アレキサンドリアとは?シャインマスカットとの違いと岡山の「ぶどうの女王」

📅 公開日:約9分

ぶどう売り場の主役は、すっかりシャインマスカットになりました。皮ごと食べられて種がない――たしかに便利です。

でも、その隣にひっそりと、ひときわ高い値札をつけて並んでいる緑のぶどうがあります。マスカット・オブ・アレキサンドリア。通称「アレキ」。

結論から言うと、これはシャインマスカットのおばあちゃんにあたる品種であり、「ぶどうの女王」と呼ばれてきた本家のマスカットです。そして今、静かに姿を消しつつあります。

正体|古代エジプトから来た「ぶどうの女王」

「アレキサンドリア」を買う2つの方法

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マスカット・オブ・アレキサンドリアの原産地は、北アフリカ(エジプト周辺)。名前の「アレキサンドリア」は、エジプトの港湾都市アレクサンドリアに由来します。

古代エジプトのクレオパトラが愛したという逸話が語られるほど古い品種で、地中海沿岸で長く栽培されてきました。その気品ある香りと姿から、ヨーロッパでは古くから「ぶどうの女王(Queen of Muscats)」と呼ばれています。

日本に持ち込まれたのは明治時代。1886年(明治19年)ごろに岡山県で温室栽培が始まり、2026年でおよそ140年の歴史があります。

なぜ岡山だけなのか|「温室で育てるぶどう」という贅沢

アレキサンドリアの国内生産は、岡山県が全国の9割以上を占めます。ほぼ岡山の独占状態です。

理由は、この品種が雨に極端に弱いから。日本の梅雨と夏の多湿では、露地栽培だと実が割れたり病気になったりして、まともに育ちません。

そこで岡山は、明治期にいち早くガラス温室を導入しました。一棟一棟の温室の中で、温度と湿度を管理しながら育てる――手間もコストも露地の比ではありません。アレキサンドリアが高価なのは、ブランド料ではなく本当に手間がかかっているからです。

加温と冷室で、旬が二度ある

栽培方法出荷時期特徴
加温栽培5月〜8月冬から温室を暖めて育てる。初夏〜盛夏の主力
冷室(無加温)栽培9月〜11月自然の気温で育てる。秋の遅出し
つまりアレキサンドリアは、5月から11月まで断続的に楽しめる珍しいぶどうです。ただし最も出回るのは7〜8月。今がまさにピークです。

シャインマスカットとの違い

いちばん知りたいのはここでしょう。同じ「マスカット」でも、性格はかなり違います。

比較マスカット・オブ・アレキサンドリアシャインマスカット
むいて食べる(皮は口に残る)皮ごと食べられる
ありなし
香りマスカット香が非常に強く華やかマスカット香はあるが穏やか
上品な甘さと、きれいな酸味甘みが前面(糖度が高い)
食感やわらかくジューシーかたく、パリッと歯切れがよい
明るい黄緑〜緑白色黄緑色
栽培ほぼ温室のみ露地でも育つ
主産地岡山(9割以上)山梨・長野・岡山ほか全国
価格高い高いが手が届く
ざっくり言えば、シャインは「食べやすさ」、アレキサンドリアは「香りと格」です。

手を汚さずソファで食べたいならシャイン。皮をむき、種を出しながら、香りを味わう時間そのものを楽しみたいならアレキサンドリア。別ジャンルの果物だと思ったほうが正確です。

実は、シャインマスカットの「祖母」

意外に知られていませんが、この2つは血縁関係にあります。

シャインマスカットは、農研機構(旧・果樹試験場安芸津支場)が「安芸津21号」と「白南(はくなん)」を交配して育成し、2006年に品種登録されました。

そしてこの安芸津21号こそが、「スチューベン × マスカット・オブ・アレキサンドリア」から生まれた系統です。

マスカット・オブ・アレキサンドリア × スチューベン
              ↓
          安芸津21号 × 白南
              ↓
        シャインマスカット(2006年登録)

つまり、アレキサンドリアはシャインマスカットの祖母。シャインマスカットのあの品のいいマスカット香は、女王から受け継いだものです。

いま食べておくべき理由

皮肉なことに、孫の大成功が祖母を追い詰めました。

岡山県のアレキサンドリア生産量は、1989年から2018年までの約30年で、およそ10分の1に減少しています。栽培に手間がかかるうえ、市場は食べやすいシャインマスカットへ急速に移りました。産地でも、温室をシャインに切り替える動きが続いています。

140年続いた「ぶどうの女王」は、いま確実に数を減らしている品種です。

スーパーの棚に当たり前に並ぶ果物ではなくなりました。「一度は本物のマスカットを食べてみたい」と思ったなら、その機会は年々少なくなっているのが現実です。

選び方と食べ方

選ぶときのポイント

  • 粒の大きさが揃っているもの(温室栽培の腕が出ます)
  • 表面に白い粉(ブルーム)がついているものは新鮮な証拠
  • 軸が緑色でしっかりしているもの(茶色く枯れているものは古い)
  • 贈答なら「秀品」「化粧箱」表記を

おいしい食べ方

  • 冷やしすぎない。食べる1〜2時間前に冷蔵庫へ入れる程度が、香りが立ってベスト
  • 皮はお尻側(軸の反対)からむくと、つるりと外れます
  • 香りを楽しむ品種なので、一粒ずつゆっくりが正解

保存

  • 房のまま新聞紙などに包んで冷蔵庫の野菜室へ
  • 日持ちは3〜5日程度。届いたら早めに

ふるさと納税・お取り寄せでの狙い方

アレキサンドリアは店頭でほとんど見かけないため、産地からの直送で買うのが現実的です。

相場の目安

  • 1房(約600g):寄付額10,000〜14,000円
  • 2房(約900g〜1kg):寄付額14,000〜20,000円
  • 化粧箱・赤秀クラス:寄付額20,000円〜
同じ「1房」でも、家庭用と化粧箱入りでは倍以上の差がつきます。最新の実売価格は、このページ下部の一覧で確認できます。

申し込み時期

  • 加温もの(5〜8月発送):春〜初夏に申し込み。8月上旬の今は最終盤
  • 冷室もの(8月下旬〜11月発送)今が予約の本番。「2026年先行予約」表記のものを狙う
岡山県内の自治体(岡山市・倉敷市・赤磐市・瀬戸内市など)が中心です。「アレキサンドリア」で検索すると絞り込めます。

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まとめ|「便利なぶどう」ではなく「特別なぶどう」

マスカット・オブ・アレキサンドリアは、皮をむく手間があり、種があり、値段も高い。効率で言えばシャインマスカットに完敗です。

けれど、皮をむいた瞬間に立ちのぼるあの香りは、シャインマスカットでは代わりになりません。140年かけて岡山が守ってきた、日本で唯一無二のぶどうです。

そして今、その数は静かに減り続けています。

あなたが人生で「ぶどうの女王」に出会える回数は、思っているよりずっと少ないかもしれません。今年の一房を、ぜひ。

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