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🍎 10月の旬##利平#銀寄#丹波栗#品種

栗の品種と選び方|利平・筑波・銀寄の違い、丹波栗が品種名ではない話

📅 公開日:約11分

栗を買ってきて、その日のうちに茹でていませんか?

実はそれ、いちばんもったいない食べ方かもしれません。栗は0℃近くの低温で寝かせると、デンプンが糖に変わって甘みがぐっと増す果物です。産地が「熟成栗」として売っているのは、まさにこの処理を済ませた栗のこと。

この記事では、栗の主要品種の違いと、「丹波栗」という名前の本当の意味、そして家庭のチルド室でできる「甘くする保存法」までまとめて解説します。

栗の品種一覧(収穫の早い順)

「生栗」を買う2つの方法

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品種収穫期特徴向き
丹沢(たんざわ)9月上旬〜中旬早生の代表。三角形の大粒で光沢は控えめ出はじめの栗ご飯
ぽろたん9月中旬〜下旬加熱すると渋皮がぽろっとむける焼き栗・時短調理
筑波(つくば)9月下旬〜10月上旬日本でいちばん作られている。大粒で光沢あり万能・貯蔵向き
銀寄(ぎんよせ)9月下旬〜10月上旬横に広い扁平な大粒。丹波栗の顔渋皮煮・甘露煮
利平(りへい)9月下旬〜10月中旬「栗の王様」。粉質で甘みが強い茹で栗でそのまま
スーパーでは品種名なしで「栗」とだけ書かれて売られることも多いですが、直売所やふるさと納税では品種名で選べます。同じ「栗」でも、品種で食感と甘さがはっきり違います。

利平|「栗の王様」と呼ばれる理由

利平は、1940年(昭和15年)、岐阜県山県郡大桑村(現・山県市)の土田健吉さんが、日本栗と中国栗を掛け合わせて生み出した品種です。名前は土田家の屋号「利平治」に由来します。

中国栗といえば天津甘栗に使われる、あの小粒で甘い栗。「日本栗の大きさ」と「中国栗の甘さ」のいいとこ取りを狙った交配で、実際にそのとおりの栗ができてしまった、という品種です。

見分け方はかんたんで、鬼皮(外側のかたい皮)の色がひときわ濃く、深煎りのコーヒー豆のような色をしています。粒はふっくら丸く、頭のてっぺんにうっすら産毛。果肉はホクホクの粉質で、甘みの強さは品種の中でも別格とされます。

まずは何も足さず、茹で栗か蒸し栗でそのまま食べてみてください。

筑波|日本でいちばん作られている栗

筑波は、国内でもっとも多く栽培されている品種です。名前のとおり茨城県のつくば地域にゆかりがあり、大粒で光沢があり、香りがよく、貯蔵性も高い。「王様」が利平なら、「主力選手」は筑波という関係です。

品種名なしで売られている栗にも、実は筑波が多く含まれています。「いつもの栗の味」の正体は、かなりの確率でこの品種です。

銀寄|飢饉の年に「銀札」を集めた栗

銀寄は五大品種の中で唯一、江戸時代生まれです。1753年(宝暦3年)、広島から摂津国歌垣村(現在の大阪府能勢町あたり)に持ち帰られた栗が始まりとされます。

名前の由来がふるっています。天明の大飢饉のころ、この栗を売り歩いたところ高値で飛ぶように売れ、銀札(当時の紙幣)をたくさん集めたことから「銀寄」。江戸時代の人の名付けセンスがそのまま残っている、数少ない品種名です。

粒は横に広い扁平な形で、風味が濃く、煮くずれしにくいので渋皮煮や甘露煮の定番。和菓子屋さんがこぞって使う栗でもあります。

ぽろたん|渋皮がぽろっとむける新世代

栗の最大の弱点は「皮むきが大変」なこと。鬼皮の内側の渋皮は、ぴったり果肉に張りついていて、包丁でむくのはひと苦労です。

ぽろたんは、この弱点を突破するために生まれた品種です。農研機構(国の農業研究機関)が育成し、2007年に品種登録されました。鬼皮に切り目を入れて加熱するだけで、渋皮が「ぽろっ」とむける。天津甘栗(中国栗)並みのむきやすさを日本栗で実現した、画期的な栗です。

電子レンジや魚焼きグリルで焼き栗にする食べ方と相性抜群で、「栗は好きだけど、むくのが嫌い」という人にこそ試してほしい品種です。

丹波栗・小布施栗は「品種名」ではない

ここで、栗のいちばん誤解されやすい話をします。

「丹波栗」という品種は存在しません。 丹波栗は、京都・兵庫・大阪にまたがる丹波地方一帯で採れた栗を指す地域ブランドです。室町〜江戸のころからの栗の名産地で、実際に栽培されている品種は銀寄や筑波など。つまり「丹波栗の銀寄」という言い方が正確です。

長野の小布施栗も同じ構造です。小布施町は江戸時代に将軍家へ栗を納めたと伝わる産地ですが、「小布施栗」という品種はなく、産地の名前です。

当サイトでおなじみのテーマですが、果物の名前には「品種名」と「ブランド名・産地名」の二層があります。巨峰の正式な品種名が「石原センテニアル」である話や、デコポンが商標で品種名は「不知火」である話と同じ構造が、栗にもあるわけです。

「丹波栗=高い品種」ではなく「丹波栗=名産地のお墨付き」。そう理解しておくと、売り場での値段の意味が読めるようになります。

実は、食べているのは果肉ではなく「種」

もうひとつ、栗の正体の話を。

農林水産省によると、栗の食べている部分は果肉ではなく「種」(種子の中の子葉)です。イガが皮、かたい鬼皮が果実の皮(果皮)に相当し、渋皮から内側がまるごと種。つまり私たちは、栗の種を茹でて食べていることになります。

当サイトでは以前、「無花果」と書くのに花を食べているいちじくの話を紹介しましたが、栗はその逆で「実を食べているつもりが種だった」。果物の「食べている部分」は、意外と見た目どおりではありません。

産地|茨城が40年連続で日本一

栗の生産量は、茨城県が40年連続で全国1位。令和6年産(速報値)では茨城が約3,780トンで、2位の熊本(約1,640トン)、3位の愛媛(約1,350トン)を大きく引き離し、全国のおよそ4分の1を占めます。

順位収穫量(令和6年産・速報値)備考
1位茨城約3,780トン笠間市(岩間)・かすみがうら市・石岡市など
2位熊本約1,640トン山鹿・球磨地区など
3位愛媛約1,350トン中山栗の伊予市など
「栗の名産地」と聞いて丹波や小布施を思い浮かべる人が多いのですが、量で圧倒しているのは茨城です。茨城の栗どころ・笠間市の「岩間の栗」は、市場でも高い評価を受けています。ブランドの丹波・小布施、量の茨城、と覚えておくと整理しやすいはずです。

おいしい栗の選び方

売り場で手に取ったら、次の4点をチェックしてください。

  • 鬼皮に張りとツヤがある:古くなると光沢が消え、しなびてきます
  • ずっしり重い:軽い栗は中の実が痩せているか、乾燥しています
  • 穴が開いていない:小さな穴は虫食いのサイン
  • 座(お尻のざらざらした部分)が白くきれい:黒ずみは鮮度落ちの目安
とくに「重さ」は確実です。同じ大きさなら、迷わず重いほうを選んでください。

栗を甘くする保存法|チルド室で「熟成」させる

冒頭の話に戻ります。栗は収穫した時点では、甘みのもとがまだデンプンのままです。

ところが0℃前後の低温に置かれると、栗は凍らないよう身を守るためにデンプンを糖に変えはじめます。この性質を利用したのが低温熟成で、数日で甘みが目に見えて増し、じっくり寝かせると数倍になるとされています。産地やふるさと納税の返礼品で「熟成栗」「チルド熟成」と書かれているのは、この処理を産地側で済ませたものです。

家庭でのやり方はかんたんです。

  • 表面の汚れを拭き、水気をしっかり取る(濡れたままはカビのもと)
  • ポリ袋に入れ、口はゆるく閉じる(密封しない。栗は呼吸しています)
  • 冷蔵庫のチルド室(0℃前後)へ。まずは3日〜1週間、余裕があれば2〜4週間
置いた期間に応じて甘みが増していきます。買ってすぐ食べるのと、1週間寝かせるのとでは、同じ栗とは思えないほど違いが出ます。「栗は買った日がいちばん甘い」は、果物の常識の中で栗だけ逆なのです。

ふるさと納税での狙い方

栗は先行予約の文化が強い返礼品です。発送は9月中旬〜10月に集中し、収穫量に限りがあるため、8月ごろから予約受付が始まります。旬に入ってから探すと、人気の産地は売り切れていることも珍しくありません。

寄付額の相場

  • 生栗1kg:9,000円〜13,000円前後
  • 生栗2kg:13,000円〜17,000円前後
  • 大粒(3L・4L)指定や「チルド熟成」もの、むき栗はやや高めの傾向

取り扱い自治体の例

  • 京都府京丹波町:丹波くり。チルド熟成済みの大粒など
  • 長野県小布施町:小布施栗。無燻蒸・低温熟成もの
  • 茨城県石岡市・笠間市:日本一の産地・茨城の生栗、むき栗
  • 千葉県船橋市:利平など品種指定の栗
楽天ふるさと納税で「生栗」と検索し、品種名(利平・銀寄・ぽろたん)や「熟成」の表記に注目して選ぶのがおすすめです。

まとめ|品種と保存で、栗はもっとおいしくなる

  • 利平=栗の王様。甘さ重視ならまずこれ
  • 筑波=いちばん作られている主力。迷ったらこれ
  • 銀寄=江戸生まれ。渋皮煮にするならこれ
  • ぽろたん=渋皮がぽろっとむける。手軽さならこれ
  • 丹波栗・小布施栗は品種名ではなく産地ブランド
  • 食べている部分は果肉ではなく
  • 買ったらチルド室で寝かせて甘みを引き出す
秋の味覚の主役は、知れば知るほど奥が深い果物です。関連記事もあわせてどうぞ。

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