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🍎 10月の旬##富有柿#次郎柿#和歌山#品種

柿の品種と選び方|富有柿と次郎柿の違い、渋柿が甘くなる本当の仕組み

📅 公開日:約10分

「この柿、渋抜きしてあるから甘いですよ」――売り場でよく聞く言葉です。

でも、渋抜きをしても、渋の成分はまったく減っていません。柿の中に、そのまま残っています。

それなのに甘く感じる。この仕組みを知ると、柿の見方が変わります。この記事では、品種の違いと、その「渋抜きの正体」を解説します。

柿の品種一覧

「柿」を買う2つの方法

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品種分類食感主産地
富有柿(ふゆうがき)完全甘柿ありやわらかく、とろり11月〜12月奈良・岐阜・福岡
次郎柿(じろうがき)完全甘柿ありかたく、シャキシャキ10月〜11月愛知・静岡
刀根早生(とねわせ)渋柿(渋抜き済)なしほどよいかたさ9月〜10月和歌山・奈良
平核無(ひらたねなし)渋柿(渋抜き済)なしほどよいかたさ10月〜11月新潟・山形・和歌山
いちばん大事なのは食感の好みです。

  • とろりとやわらかいのが好き富有柿
  • シャキシャキかたいのが好き次郎柿
  • 種が嫌い・食べやすさ重視たねなし柿(刀根早生・平核無)
同じ「甘柿」でも、富有と次郎は食感が正反対です。ここを間違えると「思っていたのと違う」となります。

【重要】渋柿の渋は「抜けて」いない

柿の話でいちばん誤解されているのが、ここです。

渋の正体は「水溶性タンニン」

柿の渋みのもとはタンニンという成分です。そしてタンニンには2つの状態があります。

状態口に入れると
渋柿水溶性タンニン唾液に溶ける → 渋いと感じる
甘柿不溶性タンニン唾液に溶けない → 渋みを感じない
つまり甘柿と渋柿の違いは、タンニンの量ではなく「溶けるかどうか」なのです。

渋抜き=「溶けない形に変える」作業

ここが本題です。渋抜きは、渋み成分を取り除いているのではありません。

アルコールや炭酸ガス(ドライアイス)で処理すると、柿は皮からの呼吸を妨げられます。すると果実の内部にアセトアルデヒドという物質がたまり、これがタンニンと結びついて不溶性(溶けない形)に変化します。

タンニンは減っていません。口の中で溶けなくなっただけです。だから渋く感じない。

甘柿も、若いうちは渋い

さらに面白いのは、富有柿や次郎柿のような甘柿も、幼い実のうちは渋いということ。

成長して収穫期を迎えるころ、木の上で自然にタンニンが水溶性から不溶性へ変化します。甘柿とは「木の上で自分で渋抜きを済ませた柿」なのです。

干し柿が甘くなる理由も同じ

干し柿も同じ原理です。皮をむくと表面に薄い膜ができて酸素が通らなくなり、果実の中でエタノールが発生 → アセトアルデヒドに変化 → タンニンと結びついて不溶化します。

天日に当てて甘くしているのではなく、皮をむいたことで内側の反応が始まっているわけです。

種が入ると、その周りだけ渋が抜ける

品種によっては、種が入るとその周辺だけ渋みが抜けるものがあります。種が渋抜きのスイッチになるのです(このタイプを「不完全甘柿」「不完全渋柿」と呼びます)。

昔の柿が「当たりはずれ」があったのは、これが理由です。種の入り方で味が変わってしまうためです。

富有柿|甘柿の王様

甘柿の代表格で、「柿といえばこれ」という存在です。

名前がついたのは1892年

富有柿は、岐阜県の居倉村(現・瑞穂市居倉)が発祥です。1892年(明治25年)、福嶌才治(ふくしま さいじ)が優れた木を見出し、「富有」と名づけました。

発祥は岐阜、でも生産1位は奈良

面白いのはここです。富有柿を最も多く作っているのは、発祥の岐阜ではなく奈良県。次いで岐阜、福岡、和歌山と続き、この4県で全国のおよそ8割を占めます。

生まれた土地と、産地として成功した土地が違う――日本の果物にはよくあるパターンです。

味と食感

  • やわらかく、とろけるような果肉
  • 濃厚な甘さ
  • 旬は11月〜12月と、柿の中では遅め

次郎柿|シャキシャキ派の本命

富有柿と正反対の食感を持つ、もうひとつの完全甘柿です。

始まりは「川原で拾った苗木」

江戸末期の弘化年間、静岡県周智郡森町の農家松本治郎が、太田川の川原で柿の幼木を見つけて自宅に植えたのが始まりとされています。だから「次郎(治郎)柿」。

こちらも、発祥地と産地が違う

栽培面積で見ると、1位は愛知県(とくに豊橋市が日本一)、次いで三重県、そして発祥の静岡県です。

味と食感

  • 果肉がかたく、シャキシャキ
  • 形が四角ばっていて、上から見ると角ばって見える
  • 旬は10月〜11月と富有より少し早い
「柿はやわらかいもの」と思っている人が次郎柿を食べると驚きます。 まったく違う食べ物のような歯ごたえです。

たねなし柿|実は渋柿です

スーパーでよく見る「たねなし柿」は、もともと渋柿です。刀根早生・平核無といった品種で、出荷前に渋抜きを済ませてから店に並びます。

  • 種がないので食べやすい
  • 刀根早生は9月〜10月と早く、柿シーズンの開幕を告げる
  • 平核無は10月〜11月
「渋柿」と聞くと不安になりますが、買った時点ですでに甘い状態なので心配は要りません。

産地|和歌山が45年連続で日本一

柿の生産量は、和歌山県が突出しています。

順位産地シェア
1位和歌山県約19%(42,000t)
2位奈良県約14%
3位福岡県約8%
和歌山県は45年連続で全国1位(2023年時点)。温暖な気候と水はけのよい斜面が柿づくりに向いています。

選び方と保存

選ぶときのポイント

  • 色が濃く、全体が均一に色づいているもの
  • ヘタが果実にぴったり張りついているもの(隙間があるものは水分が抜けかけ)
  • ヘタが4枚そろって緑がかっているもの
  • 手に持ってずっしり重いもの

保存のコツ|ヘタを下にする

柿はやわらかくなるのが早い果物です。かたさを保ちたいなら、ここが決定的です。

  • ヘタに湿らせたキッチンペーパーを当てる
  • ヘタを下にして(=逆さまにして)ポリ袋へ
  • 冷蔵庫の野菜室で保存
柿はヘタから水分が抜けていくので、そこを塞ぐと日持ちが変わります。ヘタを下にするのは、重みで実がつぶれないようにするためです。

逆に、やわらかくしたいとき

とろとろの柿が好きなら、りんごと一緒にポリ袋へ。りんごが出すエチレンガスで追熟が早まります。

買い方・相場の目安

柿は量が入ってコスパがいい果物です。旬が10〜11月の2か月だけなので、時期を逃さないことが大事です。

内容目安
家庭用・訳あり 5kg3,000〜4,000円前後
富有柿・次郎柿 秀品 3〜5kg3,500〜5,000円前後
ふるさと納税 5kg前後寄付額7,000〜11,000円
化粧箱・贈答用寄付額10,000〜15,000円
「訳あり」でも味は変わりません。 柿は皮をむいて食べるので、見た目の差が気になりにくい果物です。

申し込み時期

  • 刀根早生(たねなし):9月〜10月発送
  • 次郎柿:10月〜11月発送
  • 富有柿:11月〜12月発送
  • 先行予約は8月〜9月が中心

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まとめ|渋は消えていない、変わっただけ

柿は「甘いか渋いか」の二択に見えて、実は同じタンニンが溶けるか溶けないかという一本の話でした。

甘柿は木の上で自分で渋を変え、渋柿は人の手を借りて変える。干し柿は、皮をむくことで自分の内側から変える。やっていることは全部同じです。

そして富有柿はとろり、次郎柿はシャキシャキ。同じ甘柿でも食感は正反対

柿の旬は10月から11月の、たった2か月。今年はぜひ、食感の違う2種類を食べ比べてみてください。

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